熱力学(気体の問題)で、頻度高く使うものがこの2つ。
これは、覚えておいてください。
早口言葉みたいに、一気に言えるくらいまで。
人によっては、熱力学第一法則については
また別の表現で教わってるかもしれへん。
\( \Delta U = Q + W \)みたいな?
どっち使うかは好みなんで、どっちでもエエから覚えてください。
気体の状態方程式なんか、
「気体の状態方程式を用いよ」なんて言われずとも、
気体が出てきたら毎回使ってや。
気体の状態方程式:PV=nRT について
大前提として、
これは、気体ごとに立てる式。
箱のなかに水素と酸素がおったら、
水素についてのPV=nRTと
酸素についてのPV=nRTを用意すること。
じゃあ、まず登場人物の確認。
P: 着目気体の圧力(Pressure)
V: 着目気体の体積(Volume)
n: 着目気体のmol
R: 気体定数(大体問題で与えられている)
T: 着目気体の温度(Temperature)
これは覚えるしかないので、覚えて!
P:気体の圧力
よく勘違いされてるんやけど、力と圧力は違うで。
圧力は、「1平方メートルに加わる力」のことやで。
50平方メートルのお城のドアみたいな壁に、お相撲さんが100ニュートンの力を加えてるとしよう。
50平方メートルに100ニュートンな。
ここからわかるのは、
壁が受ける「力」は100ニュートンということ。
でも、「圧力」を考えるなら…
50平方メートルに100ニュートンということは、
5平方メートルに10ニュートンということ。
(平方メートルの数が\( \frac{1}{10}\) になっているから、ニュートンも\( \frac{1}{10}\)した )
5平方メートルに10ニュートンということは、
1平方メートルに2ニュートンということ。
(平方メートルの数が\( \frac{1}{5}\) になっているから、ニュートンも\( \frac{1}{5}\)した )
だから!
「圧力」は2ニュートンになる!
(今は単位にツッコまんといて)
逆に、
「壁が受ける圧力が2ニュートンです」
と言われたとき。
圧力が2ニュートンということは、
1平方メートルに2ニュートン加わっている。
壁の大きさは50平方メートル、
つまり1平方メートルが50セット分。
ということは、2ニュートンのセットも50セット分用意するから、
2ニュートン×50=100ニュートン。
これが、お相撲さんの加えている力やとわかるわけやな。
V:気体の体積
これは、気体が自由に移動できるエリア・体積のこと。
ざっくりいうと、気体が入ってる入れ物の体積と同じです。
n:気体のmol
そのまま。
molの解説はまた別の記事で。
R:気体定数
問題で教えてくれる。
なければ適当にRとおいて計算しておけばおっけー。
この値は、「1時間は60分」と同じで、どんな状況でも変わりません。
T:気体の温度
そのまま。
気体の状態方程式:PV=nRT の使い方
1.立式するときの注意。
各気体ごとに立式するっていうたんやけど、
本当は、
各気体ごとに、
ビフォー・アフターごとに、
立式してください、が正しい。
例えば、
体積Vの箱に、
水素\(圧力:P_{H before}、mol: n_H、温度:T_{before} \)と
酸素\(圧力:P_{O before}、mol: n_O、温度:T_{before} \)が入っていたとする。(ビフォー)
その箱をレンチンしたところ、箱全体の温度が\(T_{after}\)までアガったとしよう。(アフター)
そしてこのとき、
箱の大きさVは変わらへんし、
入ってる気体の数(mol)の\(n_H n_O\)は変わらへんし、
気体定数はそもそも変わらへん。
このように、
ビフォーアフターで、何が変わらないかをチェックすること!
が大事。
変わらないものに下線引いとくのがおすゝめ。
その時、PV=nRTは全部で4本。
水素×ビフォー → \( P_{H before} V = n_H R T_{before}\)
水素×アフター → \( P_{H before} V = n_H R T_{after}\)
酸素×ビフォー → \( P_{O before} V = n_O R T_{before}\)
酸素×アフター → \( P_{O before} V = n_O R T_{after}\)
の4本です。
2.使いこなし方
実際にPV=nRTを使うときは、式変形します。
どういう変形をするかというと、チーム分けをします。
片方には、ビフォーアフターで変わらないものを集める。
もう片方には、変わったものを、寄せ集める。
例えば、
さっきの例で行けば、
水素はビフォーアフターで、
入ってる箱のサイズは、変わらない → V 一定
入ってる水素の数・量は、変わらない → n 一定
気体定数は、もちろん変わらない → R 一定
温度は変わる。
圧力は、現時点では、変わらないとは言えない。(まぁ変わんねんけどさw)
ということから、さっき立式した
水素×ビフォー → \( P_{H before} V = n_H R T_{before}\)
水素×アフター → \( P_{H after} V = n_H R T_{after}\)
をそれぞれ、
一定シリーズを右辺に、一定でないシリーズを左辺に、移項・チーム分けする。
すると、こうなる。
\( P_{H before} V = n_H R T_{before}\)
↓
\( \frac{P_{H before}}{T_{before}} = \frac{n_H R}{V} \)
\( P_{H after} V = n_H R T_{after}\)
↓
\( \frac{P_{H after}}{T_{after}} = \frac{n_H R}{V} \)
それぞれ、右側にあるのは一定な値のものやから、
before、afterで変わらない。一定ってそういうことやんな。
ということから、
\( \frac{P_{H before}}{T_{before}}
= \frac{n_H R}{V}
=\frac{P_{H after}}{T_{after}} \)
つまり、
\( \frac{P_{H before}}{T_{before}} =\frac{P_{H after}}{T_{after}} \)
がいえる。
あとは、問題文で言われてるbefore、afterの値をそれぞれ代入したらええ。
と、こんな風に使います。
ポイントは、
各気体の、
ビフォー・アフターについて、
PV=nRTを立式する。
一定値とそうでないものを、移項して分離する。
一定値を介することで、
ビフォーとアフターを直接つなぎ合わせる。
ということやな。
つづく…!