高等工科学校推薦試験まであと2ヶ月!

・推薦も一般も受ける
・数学ちょっと苦手
ってひとは、推薦の対策からするとエエで。
一般の数学と結構範囲被ってるから、
推薦の数学対策しとけば、一般の数学はなんとかなるはず。

推薦対策する!

[化学・物理]熱力学の二大法則をゼロから丁寧に解説(前半)

諭吉の物理防衛大学校対策諭吉の化学防衛医大(看護)対策防衛医大(医)対策諭吉の講義カテゴリ未設定

熱力学(気体の問題)で、頻度高く使うものがこの2つ。

 

気体の状態方程式: \( PV=nRT \)
熱力学第一法則: \( Q_{in} = \Delta U + W_{out} \)

これは、覚えておいてください。

早口言葉みたいに、一気に言えるくらいまで。

 

 

人によっては、熱力学第一法則については

また別の表現で教わってるかもしれへん。

\( \Delta U = Q + W \)みたいな?

どっち使うかは好みなんで、どっちでもエエから覚えてください。

 

 

気体の状態方程式なんか、

「気体の状態方程式を用いよ」なんて言われずとも、

気体が出てきたら毎回使ってや。

 

 

気体の状態方程式:PV=nRT について

大前提として、

これは、気体ごとに立てる式。

箱のなかに水素と酸素がおったら、

水素についてのPV=nRTと

酸素についてのPV=nRTを用意すること。

 

 

 

じゃあ、まず登場人物の確認。

 

P: 着目気体の圧力(Pressure)

V: 着目気体の体積(Volume)

n: 着目気体のmol

R: 気体定数(大体問題で与えられている)

T: 着目気体の温度(Temperature)

 

これは覚えるしかないので、覚えて!

 

 

P:気体の圧力

よく勘違いされてるんやけど、力と圧力は違うで。

圧力は、「1平方メートルに加わる力」のことやで。

 

50平方メートルのお城のドアみたいな壁に、お相撲さんが100ニュートンの力を加えてるとしよう。

50平方メートルに100ニュートンな。

ここからわかるのは、

壁が受ける「力」は100ニュートンということ。

 

でも、「圧力」を考えるなら…

 

50平方メートルに100ニュートンということは、

5平方メートルに10ニュートンということ。

(平方メートルの数が\( \frac{1}{10}\) になっているから、ニュートンも\( \frac{1}{10}\)した )

 

5平方メートルに10ニュートンということは、

1平方メートルに2ニュートンということ。

(平方メートルの数が\( \frac{1}{5}\) になっているから、ニュートンも\( \frac{1}{5}\)した )

 

だから!

「圧力」は2ニュートンになる!

(今は単位にツッコまんといて)

 

 

 

逆に、

「壁が受ける圧力が2ニュートンです」

と言われたとき。

 

圧力が2ニュートンということは、

1平方メートルに2ニュートン加わっている。

 

壁の大きさは50平方メートル、

つまり1平方メートルが50セット分。

 

ということは、2ニュートンのセットも50セット分用意するから、

2ニュートン×50=100ニュートン。

 

これが、お相撲さんの加えている力やとわかるわけやな。

 

V:気体の体積

これは、気体が自由に移動できるエリア・体積のこと。

ざっくりいうと、気体が入ってる入れ物の体積と同じです。

 

 

n:気体のmol

そのまま。

molの解説はまた別の記事で。

 

R:気体定数

問題で教えてくれる。

なければ適当にRとおいて計算しておけばおっけー。

この値は、「1時間は60分」と同じで、どんな状況でも変わりません。

 

T:気体の温度

そのまま。

 

 

 

気体の状態方程式:PV=nRT の使い方

1.立式するときの注意。

各気体ごとに立式するっていうたんやけど、

本当は、

各気体ごとに、

ビフォー・アフターごとに、

立式してください、が正しい。

例えば、

体積Vの箱に、

水素\(圧力:P_{H before}、mol: n_H、温度:T_{before} \)と

酸素\(圧力:P_{O before}、mol: n_O、温度:T_{before} \)が入っていたとする。(ビフォー)

 

その箱をレンチンしたところ、箱全体の温度が\(T_{after}\)までアガったとしよう。(アフター)

 

そしてこのとき、

箱の大きさVは変わらへんし、

入ってる気体の数(mol)の\(n_H n_O\)は変わらへんし、

気体定数はそもそも変わらへん。

このように、

 

ビフォーアフターで、何が変わらないかをチェックすること!

 

が大事。

変わらないものに下線引いとくのがおすゝめ。

 

その時、PV=nRTは全部で4本。

水素×ビフォー → \( P_{H before} V = n_H R T_{before}\)

水素×アフター → \( P_{H before} V = n_H R T_{after}\)

酸素×ビフォー → \( P_{O before} V = n_O R T_{before}\)

酸素×アフター → \( P_{O before} V = n_O R T_{after}\)

の4本です。

 

 

2.使いこなし方

実際にPV=nRTを使うときは、式変形します。

どういう変形をするかというと、チーム分けをします。

片方には、ビフォーアフターで変わらないものを集める。

もう片方には、変わったものを、寄せ集める。

 

例えば、

さっきの例で行けば、

水素はビフォーアフターで、

入ってる箱のサイズは、変わらない → V 一定

入ってる水素の数・量は、変わらない → n 一定

気体定数は、もちろん変わらない → R 一定

 

温度は変わる。

圧力は、現時点では、変わらないとは言えない。(まぁ変わんねんけどさw)

 

ということから、さっき立式した

水素×ビフォー → \( P_{H before} V = n_H R T_{before}\)

水素×アフター → \( P_{H after} V = n_H R T_{after}\)

をそれぞれ、

一定シリーズを右辺に、一定でないシリーズを左辺に、移項・チーム分けする。

 

すると、こうなる。

\( P_{H before} V = n_H R T_{before}\)

\( \frac{P_{H before}}{T_{before}} = \frac{n_H R}{V} \)

 

 

\( P_{H after} V = n_H R T_{after}\)

\( \frac{P_{H after}}{T_{after}} = \frac{n_H R}{V} \)

 

それぞれ、右側にあるのは一定な値のものやから、

before、afterで変わらない。一定ってそういうことやんな。

 

ということから、

\( \frac{P_{H before}}{T_{before}}

= \frac{n_H R}{V}

=\frac{P_{H after}}{T_{after}} \)

つまり、

\( \frac{P_{H before}}{T_{before}} =\frac{P_{H after}}{T_{after}} \)

がいえる。

あとは、問題文で言われてるbefore、afterの値をそれぞれ代入したらええ。

と、こんな風に使います。

 

ポイントは、

 

各気体の、

ビフォー・アフターについて、

PV=nRTを立式する。

一定値とそうでないものを、移項して分離する。

一定値を介することで、

ビフォーとアフターを直接つなぎ合わせる。

 

 

ということやな。

つづく…!