イオン化傾向。
金属の、陽イオンになりたい度ランキング。
Li > K > Ca > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Ni > Sn > Pb > H > Cu > Hg > Ag > Pt > Au
これは丸暗記。
基本、丸暗記するのは良くないけど、
これは実験してみたらそうだったということで、理屈抜きに覚えるしかない。
丸暗記には、ゴロ合わせが効く。
「リッチに借りようかな。まぐ(まだ)ある、あふぇに(あてに)すんな、ひど過ぎる借金(白金、金)」
ランキング上位のものほど、陽イオンになる。
陽イオンってのは、プラスイオン。
プラスイオンってのは、もともとペアだった電子(マイナス)が家出した状態。
陽子(プラス)が取り残されてるから、プラスイオン。
つまり、このランキングは、電子家出ランキングとも言える。
このランキングの差を利用して、電位差を作ろうとするのが、電池。
電子を家出させたいやつと、家に帰ってきてほしいやつをマッチングしてあげるのが電池。
ランキングの差が大きいほど、電位差も大きい。
つまり、
ランキングNo.01のLiとランキングNo.02のKを使ってつくった電池は電位差が小さい。
ランキングNo.01のLiとランキングNo.17のAuを使ってつくった電池は電位差が大きい。
(他の、反応性の理由からこんな電池はつくれへんけど)
電池を考える時
#1 まずどちらの極板がランキング上位かチェックする。
ランキング上位の極板が必ず、電子を家出させる。
その電子は、導線を通って、ランキング下位の極板へ逃げ込む。
つまり、電子は上位から下位へ流れる。
ご存知の通り、電子の流れと電流の流れは真逆。
電子が上位から下位へ流れるので、
電流は下位から上位へ流れる。
電流が流れ出る方を+極(正極)、流れ込む方を−極(負極)と言うので、
(かならず)下位が正極、上位が負極ということになる。
この直前の一行は全然大切ではなく、
大切なのはここまでのストーリーを自分で再現できること。
#2 流れ込んできた家出電子を、誰が保護するのか見極める。
家出電子を面倒見るのは誰か?
逃げ込んだ先にいて、なおかつ電子を欲しがっているやつ(=プラス過多=陽イオン)が、喜んで面倒を見る。
水溶液中の陽イオンが受け取ることが多い。
例えば、CuSO4水溶液を使ってるなら、
電離してるCu(2+)が、家出電子の2e(-)を受け取って、Cuになり、金属の銅として析出する。
そういう視点をもって手元のテキストの、
ボルタ電池・ダニエル電池・鉛蓄電池や燃料電池の反応式を見てみて下さい。
きっと意味がわかるようになってるはず。
(※鉛蓄電池も、PbO2だけじゃなくて水中のH+が電子を受け取ってる)
電気分解を考える時
#1 まず!電流(プラスのつぶつぶ)の流れと、電子(マイナスのつぶつぶ)の流れを確認する。
電気分解でやることは、電池と正反対。
電池は、自然な反応を利用して、電池をつくる。
電気分解は、電池を使って、無理やり反応を起こす。
#2 電極がPt・Cであるか確認する。
もし、電極がPtとかCでなければ、楽勝!
一方(どうでもいいけど、陽極)ではただその電極が解け、もう一方(どうでもいいけど、陰極)では水溶液中の陽イオンが電子を受け取ってる(電池の#2で話した通り)だけ。
もちろん何極がどうとかは覚えるのではなく、
「プラスはどっち周りに流れて、マイナスはどっち周りに流れるか」
をきちんと追っていけば自然とわかる。
#3 残念ながらPt・Cだった場合
このときは、ちょっと面倒。
ある一方(どうでもいいけど、陰極)では、
イオン化傾向が低い順に、家出電子を保護する。
これは普通やんな。
だってイオン化傾向が大きいものは、電子を家出させるわけやから。
小さいものが電子を保護するはず。
普通。
ややこしいのは次。
もう一方(どうでもいいけど、陽極)では、
単原子イオン(Cl -とか)>水(H2O)>複数原子イオン(SO4 2-とか)
の順に、電子を家出させる。
このルールはおぼえちゃおう。
真面目な話をすると大学レベルになるから、興味のある人だけ深追いしてください。
このストーリーを自分で再現するのが、電池と電気分解。
この流れをしっかり覚えてな。
意味不明な暗記が必要なのは、
- イオン化傾向
- 単原子>水>複数原子 イオンの順に電子を放出する
という2点だけ。
はい、頭スッキリ!
ほなほなー!